痴呆ってなんだろう。
っていわれるとこれが結構分からない。
基本の基本なんだけどね。
痴呆とは
痴呆の原因
痴呆の診断
痴呆の症状
痴呆の治療
注:このページはたくさんの文献に基づいて書いています。
その著作権は、各著者及び、製作者にあり、決してフリーではありません。
引用複写などはお断りいたします。
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痴呆とは-痴呆の定義
痴呆とは、
「後天的な脳の障害によって、正常に発達した知能が持続的に低下
した状態であり、先天性あるいは発育期に知能障害が生じる
精神発達遅滞と区別される」
と定義されている。
一度は正常に発達した知能が持続的に低下、というのがポイント。
一般的には痴呆は不可逆なもので、治癒は望めないが、
その原因から、治療によって改善の望めるものもあり、
「可逆的痴呆」と区別して呼ぶこともある。
上の定義から考えれば、20代でも30代でも、痴呆は起こり得る。
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痴呆の原因
ひとくちに痴呆、といっても、その原因は様々である。
以下に、その代表的な原因をあげる。
| 変性疾患 |
アルツハイマー型痴呆 |
| パーキンソン病 |
| ピック病 |
| ハンチントン舞踏病 等 |
| 脳血管障害 |
脳梗塞 |
| 脳出血 等 |
| 内分泌・代謝性・中毒性疾患 |
甲状腺機能低下症・下垂体機能低下症 |
| ビタミン欠乏 |
| 低酸素症 |
| 低血糖症 |
| アルコール脳症 |
| 薬物中毒 など |
| 腫瘍性疾患 |
脳腫瘍 等 |
| 感染性疾患 |
クロイツフェルト・ヤコブ病 |
| 各種脳炎・髄膜炎・脳膿瘍 など |
| 外傷性疾患 |
慢性硬膜下血腫 |
| 頭部外傷後遺症 等 |
その他にも、様々な疾患が痴呆の原因となりうる。
これまで日本人は、脳血管性の痴呆が多いとされてきたが、
今ではいろいろ研究が進み、アルツハイマー型と
脳血管性痴呆の混合型が多い、との報告もある。
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痴呆の診断
痴呆の診断は、以下の項目を確認して行われる。
臨床においては、各症状の有無をテストを使って調べることが多い。
- 記憶障害があること
- 短期記憶障害(たとえば、3つのものの名前を覚え、
5分後にそれを思い出す、ということが出来ない。)
長期記憶障害(たとえば、誰もが知っている過去の出来事
を思い出せない)
- 記憶以外の知能障害または性格変化を認めること
- 知能障害には
抽象思考・・簡単な計算や、ことわざの理解
判断・・日常生活上で起こりうる問題に対し、
合理的な判断が出来ない。
失語(会話に問題を生じる等)
失行(服をどうやって着るか分からない等)
失認(家族を識別できない等)
等の高次大脳皮質機能障害がある。
- 上記の障害により生活に支障をきたしていること
- 職業や、日常生活、対人関係など
- 意識障害がないこと
- 軽度の意識障害によって、痴呆と同じような症状が現れることがある。
これをせん妄といい、高齢者が手術を受けた後などに発症しやすい。
せん妄は、治療や自然経過で通常1週間から1ヶ月で改善し、
痴呆と区別しなければならない。
- 器質性疾患の確認
- CTやMRI,PET等で、脳神経細胞の変性、脳血管疾患、脳腫瘍や
代謝性疾患などを確認する。
*PET=脳の機能検査の一つ。放射性同位元素を測定します。
痴呆と間違えやすい状態
1:健康な老人の物忘れ
健康な人でも、時々物忘れをする。しかし健康な人は、
体験の内容の一部を忘れるのであって、全体は忘れないことが多いし、
忘れていることを自覚している。
痴呆老人の物忘れは、体験全体を忘れ、またそれを自覚しないため、
妄想や徘徊へと発展することも多く、日常性格にも支障がでる。
たとえば、財布を隠したが、それを忘れてしまった場合、
健康な老人・・・どこかに隠したのは覚えているが、
場所を忘れているので心当たりを探す。
痴呆老人・・・隠したことそのものを忘れてしまう。
ときに、盗まれたと思いこんでしまう。
2:せん妄
せん妄状態は、軽度の意識障害を有するために、
注意・集中力が散漫になり、記憶障害が起こる。
脳血管性の痴呆や、アルツハイマー型痴呆では、
その症状としてせん妄が起こることもあるので、鑑別は難しい。
3:うつ病
高齢者のうつ病では、痴呆と似たような症状を認める。
また痴呆症状として、うつ傾向を認めるものも比較的多いために、
鑑別が難しい。
高齢者のうつ病では、配偶者の死亡や身体疾患などの、もとになる
状況因が存在することが多く、抗うつ剤による治療が有効であることが多い。
またうつ病では、身体症状の訴えが非常に多くなったり、
その訴えが特に朝に多くなる、等の特徴がある。
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痴呆の症状
痴呆症状、と一言でいっても、その内容は極めて多彩で、
個人差が非常に大きい。
また同じ患者でも、その病気により全く異なってしまったりする。
ここでは、アルツハイマー型痴呆に多く見られる異常症状について列挙する。
その症状の詳しい説明については、
痴呆の症状と対応で説明する。
- 初期症状
- 物忘れ、学習障害、作話
- 見当識障害
- 感情障害(抑うつ状態)
- 自発性・意欲低下
- 進行期症状
- 記憶、記銘力の著名な障害
- 感情、自発性障害(無頓着・不安定・不機嫌・落ち着きなし)
- 徘徊
- 不眠・昼夜逆転
- 幻覚・妄想
- 失語・失行
- 異食
- 収集癖
- 運動の異常(姿勢異常・歩行異常・痙攣)
- 重度症状
- 無言・無動
- 四肢拘縮・寝たきり
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痴呆の治療
痴呆の原因の項で述べたとおり、
痴呆の原因は様々である。
二次的痴呆(代謝異常によるものや、頭部外傷によるものなど)の場合、
元疾患の治療により、症状の改善が期待できるものもある。
が、多くの痴呆は治癒は望めず、痴呆の治療は主にその症状をいかにして抑え、
日常生活上の支障を最小限にするか、という対症療法である。
薬物療法として、脳循環・代謝改善薬と、向精神薬が使われている。
1:脳循環・代謝改善薬
これらの薬品分野については今研究が盛んに行われている。
自発性の低下、意欲低下、軽い抑うつ、いらいら、めまい
等の自覚症状に対し効果があるが、
残念なことに著明な効果とはいいがたいようである。
また、痴呆を止める効果はまだ認められておらず、
記憶障害や問題行動の改善には至っていない。
2:向精神薬
症状により、向精神病薬、向うつ薬、向不安薬、睡眠導入剤などが選択される。
これらの薬物使用により、問題行動をかなり押さえることが出来るとされる。
しかし、これらの薬はその作用の大きさと同じだけ、
もしかするとそれ以上に副作用というリスクも大きい。
特に高齢者の場合副作用がでやすく、
また痴呆という特徴もあってその早期発見が難しいため、
薬剤の選択と増減は、痴呆治療の中で最も難しいことの一つである。
向精神薬によって起こりやすい副作用
向精神薬服用の場合には、医師の指示に従い、
副作用の発現に十分注意して下さい。
- 錐体外路症状:動作が緩慢になる、手が震える、よだれがたくさんでる
首が後ろに反ったり、体が傾いたりする、など。
- 自律神経症状:のどが渇く、嚥下が困難になる、便秘、排尿困難など
- せん妄・痙攣
- ふらつき、めまい、脱力感、倦怠感、眠気、など。
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